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相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方に関する提言書について 発表資料 平成28年10月分 | 相模原市

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全文

(1)

相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方に関する提言書について

教育委員会が「相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方検討委員会」へ諮問した「教育 上の望ましい学校規模のあり方とその実現に向けた有効な方策」について、本日、同検討委員会か ら「相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方に関する提言書」として答申がありましたの で、お知らせします。

1 提言書(答申)の概要

提言書では、学校規模に関する課題と解決方策の整理及び関係者の合意形成に向けた体制につい ての整理がされています。

【主な内容】

○ 長期的に考えると、児童生徒数が減少することから、小規模校のさらなる増加が予想されるが、一方 で10∼15年後までは児童生徒数の増加が見込まれる地区も存在し、学校施設の状況によっては 教室数の不足が懸念される。

○ 学校規模のメリットを最大化し、デメリットを最小化するという視点から、望ましい学校規模を「小学校 18∼24学級、中学校15∼21学級」とする。

○ 望ましい学校規模を実現する際には、「安全な通学環境の確保」「児童生徒にとっての環境変化」

「学校と地域の繋がり」「魅力ある学校づくり」に配慮する必要がある。

○ 望ましい学校規模の実現に向けた取組の具体的方向性については、ケースごとに最も適した手法 を選択した上で、留意するべき事項を十分に考慮する必要がある。

2 今後の取組

答申を受け、教育委員会として学校規模に関する課題、課題の解決手法及び課題解決の進め方 を整理した「相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方に関する基本方針」を、本年度中 に策定する予定です。

※ 検討委員会概要※

【諮問内容】 教育上の望ましい学校規模のあり方とその実現に向けた有効な方策について

【設置日】 平成27年7月28日( ※ 同日付けで諮問)

【委員構成】 学識経験者、団体代表者、公募市民、学校関係者(計12名)

【会長】 小松 郁夫(流通経済大学教授)

【開催状況】 平成27年7月∼平成28年10月(計11回)

問合せ先 学務課

平成28年10月21日 相模原市発表資料

(2)

望ま し い学校規模のあり 方検討委員会委員名簿

氏 名 区分 推薦団体等

1 ◎ 小松 郁夫 学識経験者 流通経済大学教授

2 斎藤 文 学識経験者 産業能率大学教授

3 田所 昌訓 団体代表者 相模原市自治会連合会

4 奥山 憲雄 団体代表者 相模原市公民館連絡協議会

5 齊藤 賢一 団体代表者 相模原市子ども会育成連絡協議会

6 竹内 健 団体代表者

相 模 原 市 立 小 中 学 校 PTA連 絡 協 議 会

7

鈴木 俊彦

団体代表者

(第1回∼第7回)

相 模 原 市 立 小 中 学 校 PTA連 絡 協 議 会

前沢 弘之

団体代表者

(第8回∼第11回) 8 森山 小百合 団体代表者

相 模 原 市 立 小 中 学 校 PTA連 絡 協 議 会

9 奥原 正弘 公募市民 公募

10 川村 康昭 公募市民 公募

11

天野 和広

学校関係者

(第1回∼第7回)

相模原市立小学校校長会 近藤 ひとみ

学校関係者

(第8回∼第11回)

12

佐藤 陽一

学校関係者

(第1回∼第7回)

相模原市立中学校校長会 萩原 弘則

学校関係者

(第8回∼第11回)

◎ は会長、○ は副会長

(3)

相模原市立小中学校の望ましい学校規模の

あり方に関する提言書

平成28年10月

相模原市立小中学校の望ましい学校規模のあり方検討委員会

(4)

目 次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

1 検討の背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(1) これまでの取組み

(2) 公立小中学校の適正規模・適正配置に関する文部科学省の動向

(3) 相模原市の学校規模の現状

2 学校規模が教育環境に与える影響について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

3 望ましい学校規模について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

4 学校規模に起因しない関連課題について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

5 望ましい学校規模の実現に向けた方策について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

(1) 通学区域(制度)の変更を伴う手法

(2) 通学区域(制度)の変更を伴わない手法

6 望ましい学校規模を実現する際に留意するべき事項について・・・・・・・・・・・・ 16

(1) 安全な通学環境の確保

(2) 児童生徒にとっての環境変化への配慮

(3) 学校と地域の繋がりへの配慮

(4) 魅力ある学校づくり

7 望ましい学校規模の実現に向けた取組みの具体的方向性について・・・・・・・・ 20

8 望ましい学校規模の実現に向けた進め方について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

(1) 課題への対応優先度

(2) 課題解決の進め方

(5)

はじめに

近年、少子化の進行による児童生徒数の減少や市町合併など、本市の学校を取り巻く 社会状況に大きな変化が見られ、市内の小中学校ではクラス替えができない小規模校が 存在する一方で、児童生徒数の増加により学校施設の利用に制約が生じている学校も存 在しています。

また、教育的な観点からは、特別支援教育の充実や少人数指導など、きめ細かな児童 生徒一人ひとりの個性を大切にした多様な教育の一層の充実が必要となっています。

さらに、本市の市立小中学校の多くは、昭和40年代から50年代にかけての人口急 増期に整備を進めてきた施設であり、校舎の老朽化に伴い、近い将来、改修・更新が集 中する時期を迎えます。

児童生徒数は今後も減少傾向が続くことが予想されることから、長期的な視点に立っ た施設面での対策の必要性も生じています。

以上のような学校を取り巻く環境の変化を踏まえ、「相模原市立小中学校の望ましい 学校規模のあり方検討委員会」は教育委員会から、本市の児童生徒に望ましい学習環境 を提供するために、教育上の望ましい学校規模のあり方とその実現に向けた有効な方策 について諮問されました。

本検討委員会は、教育委員会からの諮問を受けて平成27年7月28日に設置され、 これまでに11回の会議を開催しました。

児童生徒が多様な考え方に触れながら、良好な環境で学習することができる望ましい 学校規模の実現を議論の軸とした上で、学校と地域の繋がりを大切にすることなど、学 校規模以外の多様な視点も加えて検討を重ねてまいりました。

これまでの審議内容をまとめ、このたび、教育委員会に提言を行うものです。 教育委員会がこの提言の主旨を受け止め、速やかに教育環境の整備に取り組むことを 強く望みます。

(6)

1 検討の背景

(1)これまでの取組み

本市の児童生徒数は昭和40年代から50年代にかけての人口急増期を経て、 児童数は昭和56年に、生徒数は昭和61年にピークを迎えたが、その後は減 少傾向を続けていた。

平成10年頃に児童生徒数は一旦底をうち、再び増加に転じることが予測さ れるなかで、JR横浜線沿線及び相模線沿線の活発な住宅建設により教室数の 不足する小学校が増加し、一方で児童数の減少を続ける地域も存在するという 状況が発生した。

このような学校を取り巻く環境変化を踏まえて、教育委員会は相模原市学校 規模適正化懇談会に対し、適正な学校規模の標準及び学校規模適正化のための 具体的な方策を諮問し、平成10年7月に提言を受けた。

適正規模を18∼24学級とする提言を受けて、教育委員会は小学校の統廃 合を1校、新設校の設置を3校、通学区域の変更を4箇所、通学区域の弾力的 運用として指定変更許可区域に30箇所程度を追加設定するなど、児童生徒の 教育環境整備に努めてきた。(表1参照)

表1「学校規模適正化に関する提言(平成 10 年 7 月)に対する対応状況」

新設・統合

施行日 新設・統合校

統合前 指定校 平成13年4月1日 えぎ台小

北相武台小 磯野台小 夢の丘小

富士見小 平成15年4月1日 小山小

通学区域の変更

施行日 変更地域

変更前 指定校

変更後 指定校

備考 平成13年7月1日 西橋本5丁目1∼7番 旭小 当麻田小

学校規模適正化のための通学区域変更

県住宅供給公社オラオンサイ 平成15年4月1日 清新5丁目23∼26番 清新中 小山中 小山小新設に伴う通学区域変更 平成25年4月1日 光が丘2丁目18番 並木小 光が丘小

地域からの要望に基づく通学区域の変更

光が丘エコン)

平成26年4月1日 青葉2丁目 並木小 青葉小 地域からの要望に基づく通学区域の変更 平成14年4月1日

備考

両校を統合し北相武台小の校舎を利用して新校を開校

学校規模適正化のための新設校設置

(7)

(2) 公立小中学校の適正規模・適正配置に関する文部科学省の動向

文部科学省は平成27年1月に「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置 等に関する手引き∼少子化に対応した活力ある学校づくりに向けて∼」を公表 した。

公表された手引きは、学校規模適正化や小規模校の教育の充実策等に対する 地方自治体の主体的な取組みを総合的に支援する一環として策定されたもので あり、手引きの内容を機械的に適用することは適当ではなく、あくまでも各市 町村における主体的な検討の参考資料とすることが望ましいと位置付けられて いる。

手引きでは、学校規模や適正配置についての考え方、学校統合を行う際の留 意事項及び小規模校を存置させる場合の教育の充実策等についてまとめられて いる。(表2参照)

本検討委員会でも、議論の際の参考資料の一つとして参照した。

表2「文部科学省の手引きにおける学校規模と適正配置についての考え方」

適正規模について 法令

大規模校

文部科学省では、従来から学級以上の学校を大規模校、学級以上の学校を過大規模校と た上で、過大規模校については速やかにその解消を図る設置者に対して促してきている

※ 3学級以上の過大規模校の新増築事業については、分離新設、通学区域の調整等適正規模 化のための方策が十分に検討された上でやむを得ない場合に限り国庫負担の対象とている 基本的視点 小規模校(小学校)

小規模校(中学校)

複式学級の解消 学年に1学級以上(学級以上)

替えが可能、同学年に複数教員 学年に2学級以上(学級以上) 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)

第41条 小学校の学級数は、十二学級以上十八学級以下を標準とするただし地域の実態そ の他によ特別の事情のあるは、の限りではない。

※ 中学校については、第7条において準用

※ 昭和33年の省令改正によ条文化

替えが可能、同学年に複数教員 学年に2学級以上(学級以上)

全科目に教科担任を配置 学級以上)

(8)

(3) 相模原市の学校規模の現状 ア 児童生徒数の推移

本市の児童数は昭和56年、生徒数は昭和61年にピークを迎え、全体と しては概ね減少傾向を続けている。

平成28年度児童生徒数推計でも、平成34年度までに児童数は緩やかに 減少し、生徒数はほぼ横ばいとなっている。(図1参照)

また、長期的な将来人口推計によると、約30年後の平成57年までに、 6∼11歳の児童数と12∼14歳の生徒数は共に3割以上減少すること が予想されている。(表3参照)

通学距離による考え方 法令

小学校四キロートル以内、中学校六キロートル以内が公立小・中学校の施設費の国庫負担対 象となる学校統合の条件であり通学条件を通学距離で捉えるが一般的である

通学時間による考え方

概ね一時間以内を一応の目安とた上で、各市町村の実態に応じて、通学時間によ基準を設 定するこの適否も含めて検討するこが望まい。

基本的視点

義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令(昭和三十三年政令第百八十 九号)

第4条 法第三条第一項第四号の適正な規模の条件は、次の各号に掲げるのとする。 一 学級数がおおむね十二学級から十八学級までであるこ

二 通学距離が、小学校にあつてはおおむね四キロートル以内、中学校にあつてはおおむね 六キロートル以内である

五学級以下の学級数の学校と前項第一号に規定する学級数の学校とを統合する場合におい ては、同項同号中「十八学級」あるのは、二十四学級」する。

統合後の学校の学級数又は通学距離が第一項第一号又は第二号に掲げる条件に適合し い場合においても文部科学大臣が教育効果、交通の便その他の事情を考慮して適当と認める は、当該学級数又は通学距離は、同項第一号又は第二号に掲げる条件に適合するのとみな す。

適正配置について

(9)

図1「相模原市の児童生徒数の推移」

表3「相模原市における就学年齢者数の将来推計」

年齢 H27 H32 H37 H42 H47 H52 H57

6,144 5,592 5,050 4,653 4,399 4,200 3,909

6,144 5,617 5,135 4,712 4,439 4,224 3,968

6,150 5,795 5,270 4,781 4,478 4,244 3,999

6,196 5,936 5,339 4,846 4,513 4,281 4,049

5,979 6,079 5,433 4,938 4,571 4,326 4,095 6,110 6,121 5,564 5,018 4,628 4,355 4,147 6,292 6,131 5,598 5,110 4,694 4,403 4,182 6,502 6,153 5,788 5,256 4,773 4,459 4,217 6,676 6,206 5,935 5,332 4,839 4,500 4,263

相模原市 単位:人)

※ 2010年国勢調査に基づく相模原市の将来人口推計(がみはら都市みら 研究所作成資料)基に作成

0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20

H27 H32 H37 H42 H47 H52 H57

児童数 生徒数

(10)

イ 学校規模の現状と今後の見通し

平成10年の相模原市学校規模適正化懇談会からの提言では、学校規模(標準学 級数)が18∼24学級は適正規模、11学級以下は過小規模、31学級以上は過 大規模、その他の範囲は適正規模に準ずる規模とされている。

平成10年の提言に基づいて適正規模の基準に照合すると、平成28年度時点の 本市における学校規模の状況は、過小規模校が小学校で15校、中学校で14校で あり、過大規模校は小学校、中学校共に0校となっている。(図2参照)

また、同様に児童生徒推計による、平成34年度時点における状況では、過小規 模校は小学校、中学校共に16校となり、過大規模校は小学校で1校発生する見込 みとなっている。

長期的に考えると、児童生徒数が減少することから、小規模校のさらなる増加が 予想されるが、一方で10∼15年後頃までは児童生徒数の増加が見込まれる地区 も存在し、学校施設の状況によっては教室数の不足が懸念される。

図2「平成28年度5月1日時点の学校規模の状況(平成10年提言に基づく)」

※ 学校規模は、特別支援学級を含めない標準学級数。

(11)

2 学校規模が教育環境に与える影響について

学校規模が大きくなりすぎる、または小さくなりすぎると、教育環境に対してメリ ットとデメリットの双方で様々な影響を与える。

本検討委員会では大規模校と小規模校のそれぞれについて、関係学校長の意見を聞 くと共に、現地視察も行い、学校規模が教育環境に与える影響を整理した。(表4参 照)

表4「学校規模が教育環境に与える影響」

メリット デメリット

○ 児童生徒同士が切磋琢磨する環境を作り やすい。

○ 学習やクラブ活動などで一人ひとりの活躍の 場面が限られる場合がある。

○ クラス替えを通して多様な人間関係に触れ ることができる。

○ 同学年でもお互いの顔や名前を知らないな ど、児童生徒間の人間関係が希薄化する可能 性がある。

○ 学校行事に活気が生じやすい。 ○ 学校施設の使用に制約が生じる場合があ る。

○ クラブ活動や部活動の選択肢が多い。 ○ 校外活動や修学旅行で利用施設などに制 約が生じる場合がある。

○ グループ学習などの多様な学習・指導形 態をとりやすい。

○ 行事や学習の際に、移動などのロスタイムが 多くなりやすい。

○ 校外活動の際の引率が多いので、活動の 間口を広げやすい。

○ 児童生徒一人ひとりの把握が比較的難し い。

○ 校務の一人あたりの負担が比較的少な い。

○ 緊急時や一斉に行動する際に、児童生徒の 掌握や指導に時間がかかる場合がある。

○ 教職員同士で学び合う機会が多い。 ○ 教職員同士の情報共有やコミュニケーション に時間がかかる場合がある。

○ バランスのとれた教員配置を行いやすい。 ○ 児童生徒数に比例して課題を抱える家庭の 数が多い傾向にある。

○ PTA活動における保護者の負担を分散し やすい。

○ 保護者同士や地域との連携が難しくなりや すい。

○ 多くの保護者同士の学び合いや情報交換 の機会が生まれやすい。

○ 学校行事の際に、トイレ等の学校施設を保護 者が利用し辛い場合がある。

保 護 者 や 地 域 に 対 す る 影 響

大 規 模 校

児 童 生 徒 に 対 す る 影 響

教 職 員 に 対 す る 影 響

(12)

デメ

一人ひとに役割があ発言や活躍の機 会が多い。

児童生徒同士の切磋琢磨する機会や、多様 な見方、考え方に触れる機会が少なくなりやす い。

教師からのきめ細かい指導を受けやすい。○人間関係が固定化しやすい。

授業や行事において、集合に要する時間 等のロムが比較的少なく学習時間等 確保しやすい。

転校や進学で大規模校に移った際に、当初 の戸惑いが大きい場合があ

特別教室、プール等の施設や教室を余裕 て広く使用するができ設備や備品 等も利用しやすい。

教師と児童生徒の心理的距離が近くなり ぎる場合があめ細かい指導を受ける でき反面、息苦しいと感じ児童生徒もいる

他学年や全学年での活動の機会が比較 的多く学年を越えた学びを行いやすい。

男女の偏在によ影響が比較的大きい。

周囲の環境に影響されやすい児童生徒で 比較的落ち着き集中して学習しやすい。

学校行事の盛り上がりに欠ける感じ場合 があ

空間的に余裕があガやインフルエン ザの蔓延を防ぎやすい。

ブ活動や部活動の選択肢が限られる

児童生徒の個性や特性を理解しやすい。 児童生徒指導で、大人数を動かす経験がで ない。

児童生徒の実態や状況によて、学習や 行事の計画を変更しやすい。

学校運営に関する校務分掌が集中しやす 一人あたりの負担が大きなりやすい。

児童生徒数に比例して、成績処理などの 事務負担が少ない場合があ

教職員同士で学び高め合う機会が少なくなり やすい。

年齢経験関係なく責任あ仕事を経験し やすい。

バランスのとれた教員配置や異動が難し 場合があ

教職員同士の共通理解が図りやすい。 中学校で、教科の教員が揃わずに複数教 科を担任する教員が発生する場合があ

我が子以外の児童生徒のこ把握し すく子ども達や教職員とのコニケーショ ンを取りやすい。

活動の役割分担が多く負担と感じ 保護者もいる

緊急時に児童生徒の引取り等が、比較的 混乱無くやりやすい。

保護者同士の関係が固定化されやすい。

学校に対する意識が比較的高く協力的 であ

修学旅行の費用などで、保護者の経済的負 担が大きなりやすい。

運動会等の行事の際に席を確保しやす い。

小 規 模 校

教 職 員 に 対 す る 影 響 児 童 生 徒 に 対 す る 影 響

保 護 者 や 地 域 に 対 す る 影 響

(13)

3 望ましい学校規模について

学校では、学校規模に関わらず、現状のメリットを最大限活用し、デメリットを最 小限にするような工夫がなされている。

一方で、学習指導要領や教科書は、ある程度の学校規模を想定して定められている ものであり、そこから極端に外れている場合は教育活動に支障がでる恐れがある。

本検討委員会では、「学校規模が教育環境に与える影響」を基に、メリットを最大 化し、デメリットを最小化するという視点から幅広い論点について検討を行い、児童 生徒が多様な考え方に触れながら、良好な環境で学習することができる望ましい学校 規模を整理した。(表5参照)

表5「児童生徒の学習環境にとって望ましい学校規模」 小学校

18∼24学級

(学年3∼4学級) 中学校

15∼21学級

(学年5∼7学級)

※ 学校規模は、特別支援学級を含めない標準学級数。

望ましい学校規模を整理する際には、次の11の論点について検討を行った。

① 人間関係が固定化されず、多様な考え方に触れる環境を作ることができる規模

② 児童生徒同士が切磋琢磨する環境を作ることができる規模

③ 児童生徒一人ひとりに役割があり、活躍の場を設定することができる規模

④ 特別教室などの制約により、教育活動を制限されない上限の規模

⑤ 運動場や体育館などの使用の際に、混雑による危険を回避できる上限の規模

⑥ クラブ活動・部活動の選択の際に十分な選択肢を用意するために最低限必要な規模

⑦ グループ学習や習熟度別学習などの多様な学習・指導形態を採ることができる規模

⑧ 教職員が児童生徒一人ひとりを把握し、適度な距離できめ細かな指導ができる規模

⑨ 学校運営に関する事務処理や緊急時の対応など、学校運営上に必要な教職員の数を 確保するために最低限必要な規模

⑩ 教科数に対し、必要な教職員の数を確保するために最低限必要な規模

⑪ 教員相互の支援や協力、同一教科での教員相互の連携や相談ができる規模

(14)

なお、検討の際は、児童生徒の学習環境に直接的に関係する論点①、②、③及び

⑦を重要な論点として、次のように整理した。

・人間関係の固定化を防ぎ、児童生徒同士が切磋琢磨できる環境を作るには、クラ ス替えが必要。

・習熟度別学習等、多様な学習形態を採るためには、学年ごとに小学校3学級以上、 中学校4学級以上あることが望ましい。

・中学校で活気とまとまりがある学校運営を行うには、各学年5∼7学級が望まし い。

また、学校規模の範囲を明確に設定できない論点もある。

例えば論点④は学校によって施設規模が異なるため、学校施設により教育活動を 制限されない上限の規模を一概に定めることができない。

このように、学校規模の範囲を明確に設定できない論点や、学校規模の範囲を検 討することがそぐわない論点については、学校規模以外の要素に起因する課題があ ると考えられる。

(15)

4 学校規模に起因しない関連課題について

望ましい学校規模の範囲から外れている学校については、児童生徒に対して適切な 学習環境を提供するために、原則として望ましい学校規模に近づけることで、学校規 模によるデメリットの解消に努めることが好ましい。

一方で、1学級あたりの人数、施設規模、教職員数、学校の位置、自治会区及び小 学校区と中学校区の形状など、学級数とは異なる原因で教育環境上の課題が発生して いる可能性もあり、通学区域の変更等の施策と密接に関連するため、望ましい学校規 模を実現する際には学校規模と併せて、検討事項とすることが望ましい。

また、現状において望ましい学校規模の学校であったとしても、学校規模に起因し ない関連課題が発生している場合には、学校規模による課題と同様に、解決に努める ことが好ましい。

課題解決の必要性が生じる可能性がある、学校規模に起因しない関連課題を次のよ うに整理した。(表6参照)

表6「学校規模に起因しない関連課題」 児童生徒数や学級数に関連する課題

・1学級あたりの人数が原因で学習環境に課題が生じる可能性がある。

・学校施設の容量に課題が生じる可能性がある。

・教職員の配置に課題が生じる可能性がある。

学校配置に関連する課題

・自治会、公民館区と学区に関連し、地域と学校の連携に課題が生じる可能 性がある。

・小学校区と中学校区に関連し、小中連携を推進する際に課題が生じる可能 性がある。

・通学距離、通学時間、通学路状況に課題が生じる可能性がある。

(16)

5 望ましい学校規模の実現に向けた方策について

(1) 通学区域(制度)の変更を伴う手法

平成28年度5月1日時点で、望ましい学校規模の範囲内にある市内の小中 学校の割合は、小学校全体の約38%、中学校全体の約32%である。(図3参 照)

図3「平成28年度5月1日時点の学校規模の状況(望ましい学校規模に基づく)」

先に述べたとおり、望ましい学校規模から外れている学校については、原則 として望ましい学校規模に近づけるように努めることで、学校規模による課題 を解決することが好ましい。

一方で、課題解決の進め方によっては、学校と地域の関係を崩す恐れが生じ るなど、様々な留意するべき事項があるため、地域事情を十分に考慮しながら 望ましい学校規模の実現に向けた方策を考える必要がある。

また、課題解決の手法によって、期待できる効果、児童生徒や地域に与える 影響等が異なるため、手法ごとの効果と留意事項を整理した。(表7参照)

特に、通学区域(制度)の変更を伴う手法については、児童生徒や地域に与 える影響が大きいため、「6 望ましい学校規模を実現する際に留意するべき事 項」について十分に配慮する必要がある。

(17)

表7「通学区域(制度)の変更を伴う手法一覧」

効 果

対象校の学校規模を調 整でき可能性があ

児童生徒が学校を選択 するができ

地域を分断するなく 校規模を調整する でき

全市的に学校規模を調 整でき可能性があ

特色あ学校作りに繋が 可能性があ

児童生徒や保護者の学 校教育への関心が高ま

通学距離が長くなる児童生徒が発生する場合があ

廃校となる地域の活力を削ぐ可能性があ

学校が地域内交流の中心に位置付けられている面から十分に 地域事情に配慮する必要があ

通学距離が長くなる児童が発生する

地域と学校の関係が希薄になる恐れがあ

見守り活動など、地域と学校で連携している取組みが、崩れてし 懸念があ

選択結果によては、学校規模の格差が拡大する恐れがあ

児童生徒や保護者が学校を選択する材料となるに、学校の 特色等を示す資料を提示しなければならない。

通 学 区 域 の 変 更

学 校 選 択 制

自 由 選 択 制

の 導 入 学 校 の 統 合

留 意 事 項 対象校の学校規模を調

整するができ

地域を分割・分断する可能性があ

対象地域の児童生徒の指定校を強制的に変更するになる

通学距離が長くなる児童生徒が発生する場合があ

住宅開発の影響等によ数年で同様の課題が発生する可能性 があ

小規模校同士または大規模校同士が隣接しているースには適 ない。

地域や保護者との議論を重ねたうえで決定された通学区域につ いては、設定時の経緯を十分に考慮する必要があ

通学距離が長くなる児童生徒が発生する場合があ

制度が利用されず、効果が薄い可能性があ

地域と学校の関係が希薄になる恐れがあ

小規模校同士または大規模校同士が隣接しているースには適 ない。

(18)

(2) 通学区域(制度)の変更を伴わない手法

通学区域(制度)を変更することがそぐわない事例については、児童生徒に とっての環境変化や地域への影響が比較的少ない手法により、教育環境上の課 題を解決することが望ましい。

通学区域(制度)の変更を伴わない手法を次のように整理した。(表8参照)

表8「通学区域(制度)の変更を伴わない手法一覧」

手 法 効 果 留 意 事 項

学 校 施 設 と 他 の 施 設 と の 複 合 化 に よ る 異 年 齢 交 流

児童生徒と施設利用者との交流によ 多様な考え方に接する機会を増や すこができ

児童生徒の安全性の確保や施設の 管理運営区分について、充分な検討 が必要となる

学 校 全 体 で の 異 学 年 活 動 や 協 働 学 習 の 実 施

多様な考え方に接する機会や児童生 徒同士で切磋琢磨する機会を増やす ができ

近 隣 の 学 校 と の 合 同 授 業 や 合 同 行 事 の 実 施

多様な考え方に接する機会や児童生 徒同士で切磋琢磨する機会を増やす ができ

両校の教職員同士の調整や準備が 必要となる

安全な移動手段の確保や移動時間 によ学習時間確保等への影響が課 題となる

小 中 連 携 教 育 の 推 進 多様な考え方に接する機会や児童生 徒同士で切磋琢磨する機会を増やす ができ

両校の教職員同士の調整や準備が 必要となる

安全な移動手段の確保や移動時間 によ学習時間確保等への影響が課 題となる

特 色 あ る カ リ キ ュ ラ ム の 導 入

学校規模によ課題を緩和する可能 性があ

た、特認校制等を併用するによ 他のエリアから児童生徒を集めら れる可能性があ

効果的なカリキュムの内容を 分に研究する必要があ

近 隣 の 他 の 施 設 や 近 隣 校 の 学 校 施 設 の 共 同 利 用

学校施設の容量に起因する教育上の デメ緩和するができ

他の施設利用者との調整及び、 動時の安全確保等、相当な準備が必 要となる

学 校 施 設 の 増 築 等 学校施設の容量に起因する教育上の デメ緩和するができ

財政的な負担増及び、将来的には 少子化が進行する踏まえて計画 策定する必要があ

(19)

6 望ましい学校規模を実現する際に留意するべき事項について

(1) 安全な通学環境の確保

通学区域の変更等に伴い、通学距離が長くなる等の影響がある場合には、通 学路での交通事故や犯罪を防止するための取組みを徹底する必要がある。

必要な取組みを次のように整理した。

○ 文部科学省の基準等に即し、「通学距離は小学校で4km以内、中学校では6 km以内」「通学時間は概ね1時間以内」を原則として、通学区域を設定する。

○ 本市の「通学費助成、スクールバス運行に関する基本方針」に基づき、通学費 助成やスクールバスの運行により、児童生徒の安全確保及び保護者の負担軽減 を図る。

○ 新しく設定された通学路に対しては、学校、保護者、地域、警察、道路管理者 等、関係機関及び教育委員会が連携して実地踏査等を行い、地域の合意を得な がら、必要な交通規制や道路標識の設置等、危険箇所の改善に努める。

○ 遠距離通学者に対しては、コミュニティバスの活用についても検討する。

○ スクールバス等による通学では、台風・大雪などの荒天時の道路事情による、 登下校や学校活動への影響を最小限に留めるように努める。

○ 地域の見守り活動等が従来通りに機能するよう、充分に調整する。

(20)

(2) 児童生徒にとっての環境変化への配慮

通学区域の変更等により通学する学校が変更され、児童生徒の学習環境や生 活環境が大きく変化する場合には、児童生徒の戸惑いを軽減するように配慮す る必要がある。

必要な取組みを次のように整理した。

○ 通学区域の変更に際しては、就学中の児童生徒及びその兄弟姉妹に関しては、 児童生徒の心理面等に配慮し、通学する学校について新しい指定校か従前の指 定校かを選択できるような経過措置を検討する。

○ 必要に応じて青少年教育カウンセラーの派遣等を行い、通学する学校の変更前 後の児童生徒の心のケアを充分に行う。

○ 関係する学校間で事前に交流授業等を行い、両校の児童生徒同士のふれあいを 深め、友達が増えることやこれまではできなかった学校行事ができるようにな ること等のプラスの変化を感じられるように配慮する。

○ 保護者に対しても、児童生徒の通学する学校が変わる事への不安や負担を軽減 するために、適切な時期を捉えて情報提供を行う。

(21)

(3) 学校と地域の繋がりへの配慮

学校と地域は連携して児童生徒の見守り活動を実施するなど密接な繋がりが あり、また、児童生徒は地域の行事に参加し、地域の児童生徒同士で交流する ことにより成長する側面があるが、通学区域の変更等に伴い関係が希薄化する 恐れがある。

通学区域の変更等が、地域に及ぼすマイナスの影響を最小限にするために必 要な取組みを次のように整理した。

○ 通学区域の変更等を行う場合は、学校、保護者、地域及び教育委員会が協議す る場を設け、充分な検討を経て決定する。

○ 通学区域が地域を分断すると、地域の児童生徒同士や保護者同士の交流がなく なってしまうなど、地域運営に支障をきたす恐れがあるため、通学区域の変更 等を行う場合には、通学区域が地域を分断しないことを原則として検討する。

○ 学校と地域が連携して実施してきた見守り活動等については、通学区域の変更 後も継続できるように調整を行う。

○ 学校と地域が良好な関係を保ち、課題を抱える児童生徒を地域と共に見守るこ とができるような、学校と地域が連携しやすい環境づくりに努める。

○ 学校の統合が発生した場合の学校施設の跡地利用に関しては、教育的課題が解 決する目処が立った後に、地域と行政が協議を行うものとする。

(22)

(4) 魅力ある学校づくり

望ましい学校規模を実現するにあたり、将来的な少子化の進行や、地域によ り児童生徒数が少ない現状があることを踏まえると、通学区域の変更や学校の 統合を行ったとしても、望ましい学校規模を維持できない学校や、近い将来に 課題が再発する学校が生じる恐れがある。

望ましい学校規模を長期的に維持するためには、地域に児童生徒が集まるよ うな魅力ある学校を作る必要がある。

本市が目指すべき魅力ある学校づくりのポイントを次のように整理した。

○ 望ましい学校規模を実現するにあたっては、少子化や財政難を理由とする消極 的な姿勢ではなく、「望ましい学習環境の実現」や「魅力ある学校を作る」こ とを目指すこととする。

○ 望ましい学校規模を実現する機会をチャンスと捉えて、特定の科目や学習形態 に力を入れたカリキュラムの導入や、地域特性を活かしたカリキュラムの導入 など、学校の魅力を高める特色ある取組みの可能性を検討する。

○ 学校の統合を行う場合には、現在の青野原小中学校で行われている施設一体型 小中連携校や、「小中一貫校」「義務教育学校」などの可能性を検討する。

○ 学校の魅力を高める特色ある取組みに加えて、特認校制等を併用し、幅広く他 のエリアから児童生徒を集める可能性を検討する。

(23)

7 望ましい学校規模の実現に向けた取組みの具体的方向性について

これまでに整理した事項を基に、本市での課題解決に向けた取組みの方向性を、複 数のケースに分けて次のように整理した。

行政が実際に課題解決に取り組む際は、該当の学校及び地域に最も適した手法を選 択し、留意するべき事項を十分に考慮する必要がある。

ケースA 「小規模校同士が隣接している」

本ケースでは、学校間の距離が比較的近い旧市域と、学校同士の距離が離れてい る旧津久井地域では、仮に学校の統合等を実施した場合の通学環境に与える影響等 が大きく異なるので、区別して考える必要がある。

地域全体の小規模校化が見込まれる場合には、近隣の小中学校同士の連携教育や 一貫校化の可能性も検討し、魅力ある学校づくりを推進することで、区域外の児童 生徒を呼び込むような取り組みを進めることが望ましい。

○ 検討すべき課題解決の手法

通学区域(制度)の変更を伴う手法

・学校の統合

通学区域(制度)の変更を伴わない手法

・周辺の公共施設との学校施設複合化による異年齢交流 ・学校全体での異学年活動や協働学習の実施

・近隣の学校との合同授業や合同行事の実施 ・小中連携・一貫教育の推進

・特色あるカリキュラムの導入

○ 留意するべき事項

・安全な通学環境の確保

・児童生徒にとっての環境変化への配慮 ・学校と地域の繋がりへの配慮

・魅力ある学校づくり

(24)

ケースB 「小規模校と、学校施設の容量に課題が生じている学校が隣接している」 本ケースでは、学校施設の利用の面で教育環境のアンバランスが発生している可 能性があるため、学校施設の相互利用等の取組みを検討することが望ましい。

通学区域の変更が必要な場合には、事前に学校間で児童生徒同士の交流を深める など、児童生徒や保護者にとっての環境変化に対する負担を緩和する取り組みを行 うことが望ましい。

また、通学区域が入り組んでいるケースが多いため、指定校と最寄りの学校との 通学距離の逆転、小中通学区域の不整合、通学区域と自治会区や公民館区の不整合 などの課題についても、時間をかけて整理するように取り組むことが望ましい。

○ 検討すべき課題解決の手法

通学区域(制度)の変更を伴う手法 ・通学区域の変更

・通学区域の弾力的運用

通学区域(制度)の変更を伴わない手法 ・近隣の学校との合同授業や合同行事の実施 ・特色あるカリキュラムの導入

・近隣の公共施設や近隣校の学校施設の共同利用

○ 留意するべき事項

・安全な通学環境の確保

・児童生徒にとっての環境変化への配慮 ・学校と地域の繋がりへの配慮

(25)

ケースC「将来過大規模校化する学校の周囲の学校も施設の容量に課題が生じている」 本ケースでは、通学区域の変更等によっても、学校施設の面での課題を解決するこ とが比較的難しい。

例えば、小学校同士での課題解決が難しい場合には、近隣の中学校の施設の共同利 用等の可能性も検討することが望ましい。

また、止むを得ず学校施設の増築等を行う場合には、児童生徒数の増加が一時的な ものである可能性を十分に考慮し、効果的、効率的な施設整備に努める必要がある。

○ 検討すべき課題解決の手法

通学区域(制度)の変更を伴う手法 ・通学区域の変更

・通学区域の弾力的運用

・学校選択制(自由選択制)の導入

通学区域(制度)の変更を伴わない手法

・近隣の公共施設や近隣校の学校施設の共同利用 ・学校施設の増築等

○ 留意するべき事項

・安全な通学環境の確保

・児童生徒にとっての環境変化への配慮 ・学校と地域の繋がりへの配慮

(26)

8 望ましい学校規模の実現に向けた進め方について

(1) 課題への対応優先度

ア 優先して対応することが望ましい学校規模の範囲

望ましい学校規模の範囲から外れている学校のうち、過小規模及び過大規模の 範囲に位置する学校は、学校規模による課題が発生している可能性が高いため、 優先的に課題解決に努めることが望ましい。

各々の規模の範囲について次のように整理した。(表9参照)

表9「過小規模校及び過大規模校の範囲」 小学校

過小規模校 11学級以下 過大規模校 31学級以上 中学校

過小規模校 5学級以下 過大規模校 31学級以上

学校規模が教育環境に与える影響について、様々な視点から表4のとおり整理 をしたうえで、特に優先して対処の必要がある範囲を検討した。

過小規模校の設定にあたっては、児童生徒同士が切磋琢磨し多様な考えに触れ る機会を作りづらい、クラス替えができない学年が発生する規模を基準とした。

過大規模校の設定にあたっては、児童生徒の学習環境の維持が困難であり、ま た国庫負担事業認定に係る規模を基準とした。

イ 学校規模に起因しない関連課題への対応優先度

教育環境上の課題は、学校規模のみでなく、児童生徒数や学校配置にも関連し て発生することを表6のとおり整理した。

原則として、児童生徒の安全安心に係る課題や、教育の中身に係る課題につい ては、短期的に改善に取り組むことが望ましい。

特に、1学級の児童生徒数が10人に満たないという状況や、学校施設の容量 に対してあまりにも児童生徒数が多い状況が発生している場合には、早急に改善 に取り組むことが望ましい。

一方で、地域やまちづくりにも影響を与える課題については、市全体や地域を 巻き込む問題であるので、中長期的な方向性を示しつつ、時間をかけて取り組む ことが望ましい。

将来的に更なる小中連携教育や小中一貫教育等を推進する可能性も見据えて、 地域や行政区との整合を図りながら、小学校区と中学校区の境を整理するような 取組みも長期的な視点で進めることが望ましい。

(27)

以上の考え方を踏まえ、課題への対応優先度を次のように整理した。

(表10参照)

表10「学校規模に起因しない関連課題への対応優先度」 短期的(概ね5年以内を目処)に取り組むことが望ましい課題

( ア) 1学級あたりの人数が原因で学習環境に課題が生じる可能性がある。

(例:1学級10人未満の児童生徒数で多様な考えに触れる機会に乏しい。) ( イ) 学校施設の容量に課題が生じる可能性がある。

(例:学校施設の容量に対して児童生徒数が多く、特別教室の使用や、多様 な学習形態を取ることに制約が生じている。)

( ウ) 教職員の配置に課題が生じる可能性がある。

(例:教科担任が揃わずに、複数教科を担任する教員が発生している。) ( エ) 通学距離、通学時間、通学路状況に課題が生じる可能性がある。

(例:通学区域の広さや形状により、文部科学省が目安とする通学距離や通 学時間の基準よりも長距離・長時間の通学状況が発生している。)

中長期的(概ね10年前後を目処)に取り組むことが望ましい課題

(オ) 自治会、公民館区と学区に関連し、地域と学校の連携に課題が生じる可 能性がある。

(例:同じ学校の児童生徒が、地域の活動において分断されている。)

(カ) 小学校区と中学校区に関連し、小中連携を推進する際に課題が生じる可 能性がある。

(例:小学校区と中学校区の境界線が一致していないため、小学校の進学先 中学校が複数に分かれており、小中連携教育を推進しづらい。)

(28)

(2) 課題解決の進め方

教育委員会は、本提言を受けた後、速やかに課題解決のための具体的な取組みを 方針として取りまとめ、将来的な人口動態や学校施設の老朽化に伴う更新時期も考 慮して財政的な無駄を生じないように留意しながら、教育環境の整備に努めること が望ましい。

また、現在は課題が発生していない地域や、一度課題を解決した地域であっても、 住宅開発等の環境の変化に伴い、将来的に課題が発生する可能性がある。

そのような場合であっても、柔軟に課題に対処できるよう、長期的な視点に立っ て、継続的に課題解決に取り組む体制を築くことが望ましい。

その取組み及び体制について、次のように整理した。

【短期的に取り組むことが望ましい課題に対する進め方】

表9で整理した過小規模校、過大規模校及び表10で整理した短期的に取り組む ことが望ましい課題については、教育委員会が主体的に状況を調査し、早期に対象 学校へ問題提起することが望ましい。

○ 提言の受理

○ 課題解決のための基本方針の策定

○ 市内小中学校の現状調査

○ 緊急性が高い学校・地域の選定

○ 対象学校への問題提起

○ 学校、PTA、地域、行政等による協議

○ 課題解決に向けての要望書を教育委員会に提出

○ 通学区域の変更・学校統合の実施 ○ 通学区域の変更を伴わない手法の実施 合意形成

要望書に基づいて該当地域の 実施計画策定

(29)

【将来の環境変化を見据えた継続的な取組み体制】

将来の環境変化に対して長期的、継続的に課題解決に取り組むことができる体制 を築くことが望ましい。

その際には、学校、保護者及び地域自身が学校規模に関する意見を検討協議でき る場が、学校単位で常設されることが好ましい。

また、検討に必要なデータや、近隣の学校同士の連携が必要な場合には、教育委 員会が情報提供等を通して十分にサポートする必要がある。

○ 学校規模に関する検討組織(学校・PTA・自治会などの関係者で構成)を全校に 常設する。

前身となる団体がある場合には、学校規模に関する事項を議題に加えるように依頼 する。

○ 検討会を必要に応じて開催

○ 課題解決に向けての要望書を教育委員会に提出

○ 通学区域の変更・学校統合の実施 ○ 通学区域の変更を伴わない手法の実施 教育委員会から 随時情報提供 合意形成

要望書に基づいて該当地域の 実施計画策定

(30)

望ましい学校規模のあり方検討委員会委員名簿

氏 名 区分 推薦団体等

1 ◎ 小松 郁夫 学識経験者 流通経済大学教授

2 斎藤 文 学識経験者 産業能率大学教授

3 ○ 田所 昌訓 団体代表者 相模原市自治会連合会

4 奥山 憲雄 団体代表者 相模原市公民館連絡協議会

5 齊藤 賢一 団体代表者

相 模 原 市 子 ど も 会 育 成 会 連 絡 協 議 会

6 竹内 健 団体代表者

相 模 原 市 立 小 中 学 校 P T A 連 絡 協 議会

7

鈴木 俊彦

団体代表者

(第1回∼第7回) 相 模 原 市 立 小 中 学 校 P T A 連 絡 協 議会

前沢 弘之

団体代表者

(第8回∼第11回) 8 森山 小百合 団体代表者

相 模 原 市 立 小 中 学 校 P T A 連 絡 協 議会

9 奥原 正弘 公募市民 公募

10 川村 康昭 公募市民 公募

11

天野 和広

学校関係者

(第1回∼第7回)

相模原市立小学校校長会 近藤 ひとみ

学校関係者

(第8回∼第11回)

12

佐藤 陽一

学校関係者

(第1回∼第7回)

相模原市立中学校校長会 萩原 弘則

学校関係者

(第8回∼第11回)

◎ は会長、○ は副会長

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